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展覧会レポはいいぞ!

■美術館めぐりが趣味な人も展覧会レポを律儀に書いてる人も私の周りには殆どいないんだが…

過日、展覧会レポのすすめ [アウトプット最高!]|ちいさな美術館の学芸員|note

を拝読しちょっと触発されたので、自分の美術館めぐりの来歴と展覧会レポの歩みについて振り返ってみようと思った。

note.com

あんまり大きな声では言えないけどnoteってプラットフォームとして巨大になりすぎて、記事の玉石混交が激しいよね(訳:まともな展覧会レポを読みたければ「青い日記帳」さんか虹さんのレポとかを読むしかないよね)

 

■ポスカホリック時代

そもわたしが本格的に美術館めぐりを恒常的な趣味にしだしたのはここ10年くらい。

元々紙モノが好きだったし、比較的都会に住んでたのでユザ●ヤとかハ●ズとか画材や資材が豊富にそろう店へのアクセスが容易だったから、最初の何年かはポスカホリックにコラージュとかしてた。

www.asahi.com

ポスカホリックは、朝日新聞社が出してるコラージュノート。

いまは文具系のメーカー各社でも美術鑑賞や展覧会の記録を付けられる専用のノートを販売していてラインナップも豊富だけど、わたしがレポ作りはじめたときはかわいい専用ノートってこれくらいしかなかった。

(それにしても朝日新聞社が共催してる展覧会行って、朝日新聞社が売ってるノート買って記録付けるって、天声人語切り取って天声人語ノートを買って貼り付ける、に近いマッチポンプ感あるよね、ないですか?気のせい?)

スクエア型。高さはB5の横の長さと同じくらいか。

スクエア型かわいいんだけど中途半端な大きさでうまく書棚に入らない。

何年か前の正倉院展の記録。

当時はけっこうがんばってデコってかわいくしたかった()ので、フライヤーから写真を切り抜きして貼り付けたり(左頁)、きれいな柄の紙やマステを貼って上からクラフト紙の吹き出しをわざわざ作って貼り付けてコメントを書き入れたりしている(右頁)。

元々工作は好きだったし、自由記入欄を紙だのシールだのテープだの、手持ちの材料でデコるのは楽しかった。展覧会の雰囲気に合わせてシールを選んだり、展覧会のイメージカラーに合わせた色の台紙を貼ったりしていた。

ただ…ポスカホリックは…とにかく時間がかかる子だった…

デコるだけで2時間とか平気でかかっていた。もちろん肝心の感想やコメントを書き込むのはその後。1つの展覧会のページを埋めるのに半日くらいかかっていた。するとだんだん面倒になってきてしまったのだった。デコるだけデコったのに感想もなにも書いていないページもじつはかなりある…。

手間のかかったデコデコノートはお金と時間に余裕のある人のための趣味だと悟った。。

 

■レポチケ時代

次に手を出したのがレポチケ

多分5年くらい前?にポスカホリックから鞍替えしていた。

これは元々はライブや観劇、舞台などを記録するものだ。開くと、見開きの半分がチケットや半券を入れる透明なスリーブになっていて、もう半分が無地またはドット罫の記録を書くところになっている。ポスカホリックのスリーブは絵葉書の収納も兼ねていたから中途半端な形をしていたが、こちらは半券が入るだけのサイズなのでもっとスリム。

(ただし背が高いので普通のカラーボックスや本棚だと立てて入れにくい)

したがって、自由記入欄の面積もぐっと減ったが、この頃には仕事が忙しくなったために一つの展覧会の記録を書くのにそこまで時間を取れなくなっていたので、かえってそれが丁度良いと感じていた。

 

地味なポイントだけどリングの色が色々あるのが面白い。わたしは統一感を出すために金か銀にしていたけど、あれは推しの色をいろいろ選べるようなカラー展開を意識しているんだと推察する。

www.hmv.co.jp

 

レポチケ現物。

開くとこんな感じ。

入場した展覧会の半券は絶対収集するマンだった(今も)なので半券がきれいに見れる収納ができるのはうれしかった。

(話はそれるけどコロナ以降は電子決済と事前予約が浸透したせいで、絵入りの半券がもらえないことが増えたよね… 東博などはファン心理をよくわかっているので「絵入り半券下さい」と言えば事前電子決済済みバーコード提示入場でもスムーズに半券がもらえる(多分わたしと同じように集めてる人はたくさんいるんだろう)が、味もそっけもないレシート用紙にバーコードが印字されているだけのものしかもらえない、最悪だと画面提示のみで何も手元に残らない、ということもすごく多くなってきた気がする)

スペースが小さくなったので、レポチケに書いていた当時はいつも以下の3つのことだけを意識して感想を書いていた。

(1)自分なりに展覧会のキャッチコピーを考える

展示の感想を書くのにあとから鑑賞時のことを思い返しているときにひねり出す。短いセンテンスだけど、案外と展示に対する自分の印象が凝縮された一文になることが多い。

(2)展覧会全体に対するレビュー、評価

展示作品ひとつひとつではなく、全体として雰囲気がどうだったかとか、全体を俯瞰してみたときに展覧会の意図がくみ取れるかどうかとかから、客層、男女比、メインの客年代、会場の動線のスムーズさやミュージアムショップの品揃えまでいろいろ。

(3)BEST3

展示作品の中でベスト3を決める。

1 お気に入りが多すぎて選びきれないときもあれば、

2 3つ選ぶのが苦労するほど不作(自分にとって)なこともあるし、

3 全然響かなかったけどある1点にだけ恋に落ちたみたいに惚れ込んでしまう

ようなときもある。個人的に一番記憶に残りやすいのは1よりも3だったりする。そういうふうに出会った作品のことは大体ずっと後も覚えている。

 

写真を撮れないことの方が多いので、描けるときは思い出せる範囲でササっと絵を描いたりもしていた。

内覧会とか行ってみたかったけど、もはや田舎に引っ込んでしまった身にブロガー内覧会などは夢のまた夢である。。

 

■そして現在

これまで挙げてきた記録方法にはちょっとした縛りがある。

書くときのお道具が多すぎるのだ。

最低でも、黒いボールペンのほかに、他の色のボールペン、何色かのカラーペン、はさみ、テープ、修正テープなど。

欲張ろうと思ったら、貼り付けるために現像した写真とか。

これらを手元においたうえ、鑑賞時に手に持っていたフライヤーや作品リストも見て、よし!書くぞ!と意気込んで書き始めないとならない。

紙は修正が効かない。特にカラー。

あと、この頃のわたしには、何時間もまとまって家の机の上で集中してなにかを書くという時間的余裕や体力的余裕があまりなくなっていた。そうすると仕事帰りにどこかで書くほかないとなるのだが、このお道具類、毎日持ち歩くとなると相当荷物を圧迫してくるし、毎日持ち歩いたところで、その通りできるわけでもなかった。

また、この「意気込んで書く」というのが自分にはすごく大きな心理的ハードルで、紙の上に、失敗できないボールペンで書くとか、毎回創意を凝らしてどどんとでかくキャッチコピーを書いて、その文字をまずデコって… とか、そういうのがすごく大変に感じてしまい、結局またまたレポ書きから手が遠のいてしまったのだった。

 

やりたいことは「レポを完成させること」なのに、紙に書くとなると「きれいに仕上げる」が至上目的にすり替わってしまう上、持ち歩くお道具が負担。

 

ということで、いまのわたしは紙の世界から離れ、はてなブログに鑑賞記録を書いている。

それですら、なかなか鑑賞後すぐに書けるわけでないことがほとんどなのだが。

はてなブログは、

・メールで写真を添付して送れば下書き記事が勝手にできている(あとで本文を打ち込めばいい)

・お道具として必要なのはPCかスマホのみ

というところが優れていると感じている。

スマホだと長文のフリック入力がキツイので、最近、ポータブルキーボードも購入した。

これなら、職場の昼休みにデスクでスマホに入力して記事を書くこともできる。

実際そんなにスムーズに進むわけでもないのだが、心理的ハードルが下がることが重要なのだ。

 

■まとめ

いろいろめんどうだが、展覧会レポはいいぞ!

 

紙やノートにこだわりたっぷりに書きつけるのもよし、効率とスピード重視でTwitterに直接流すもよし、ライター気取りでnoteでつらつら書くもよし、自分の城たるブログでひっそりと書くもよし。

わたしはけっこうひっそり書いているが、それでも、自分が行った展示について他人がどう書いているのかは気になってしまうので、有名美術ブログの記事などは探して読み漁ってしまう(一応、自分がまだ感想書いてない展示の記事は、書くまで見ない、という自分ルールはある。笑)

まだレポを書いていない鑑賞記録はじつはかなりたくさんある。できたら全部なんらかの形にしてやりたいと思っているので、現実的にも、それを叶える場になるのはこのブログなんじゃないかなっと考えている。