美術館巡りのスタイルについて
■はじめまして、というかお久しぶり
100年ぶりにブログなんて書いてる。あをだまです。
どうせ自分のことなんか書いても誰も読まないだろう、という後ろ向きな気持ちがあって、展覧会レビューを書こうと立ち上げたこのブログも放置してました。このたび諸事情あってめちゃくちゃ時間を持て余してたので、久しぶりに思い出しました。
noteもいいなと思ったんだけどね。なんかあれって古き良き「ブログ」の持っている「自分だけの城」感が稀薄な気がする。昔のブログには必須だった、個性的なテンプレートだの、ヘッダー画像だのがなくて、「ひとんちにお邪魔している感」が薄いというか… それとも若い人たちはあれくらい垣根が低くて隣の庭との境界があいまいなくらいを好むのかもしれない。
それはともかく自己紹介。
おもな趣味は美術館巡り。いまの仕事に転職してから年収があがったのと、休みを取りやすくなったのと、首都圏への往来がしやすい地域に定住(地元ですけど)になったので、2015年くらいから、年30~40件くらいの展覧会に行っていました。あと地方の芸術祭に足を運んだり。旅行に行くとほぼ必ずその土地のミュージアムには行くから、どちらかというと「アート巡り」というほうが適切かもしれない。
コロナが流行りだしてからはガクッとペースが落ちちゃったけど、アートを特集するテレビを見たり本を読んだりは細々と続けてた。
■遠征は遊びじゃねえんだよ
展覧会を鑑賞するためにわざわざ地方から出てくることを、美術ファン界隈では「遠征」と呼ぶが、わたしは地方在住であり、「展覧会巡り」における基本的なプレイスタイルは「遠征」である。
以下、いくつかの視点から、わたしの「遠征スタイル」について紹介したい。
(誰得なんだとかは考えない。)
〇主な遠征先
東京23区内。新幹線で上京し、1日に3か所くらい回る(4か所もできなくはないけどかなりキツい)。ちょこちょこ上京するとお金がかかるので、ビジネスホテルに1泊し、全行程1泊2日(周辺県に足を延ばす場合には、2泊3日もあり)で5~7か所くらい回る、というのが多い。
数か月に1度しか上京できない都合上、どうしても大きな美術館の展覧会しか押さえることができないのが悔しい。ほんとうは世田谷美術館とか大倉集古館とか、いまいち利便が悪いけど味のある展示をやっている小さな館にももっと行きたい…
〇よく利用するビジネスホテル
この2社がやっぱり群を抜いて安い。
遠征の主眼目は展覧会の鑑賞とグッズや図録の購入なので、できればメイン以外の出費は抑えたいため。特に、日時指定制が当たり前になってきたせいか、最近は入場料も大人一般料金が上昇傾向にあり、ひとり2000円台も珍しくない。
この2社のホテルは都内にまんべんなく立地しており、安い立地を選べば、どちらも素泊まり4000円~5000円台で利用できる(うまくいけば3000円台も有り得る)。また、毎度違う会社のホテルに泊まると、宿泊時の手続き方法などにも微妙に違いがあり戸惑うが、会社を限定することで回避することができる。そのうえ、毎回訪問する美術館は違うので、その日の最終目的地から近い場所で絞り込んで投宿先を決定する、といったフレキシブルな使い方が可能。
とはいえ、下調べをする時間が少ないので、わたしの場合はいくつか定宿を決めておいて、その中から選ぶことが多いかな。
ところで最近は鶯谷の東横インに泊まったんだけど、ろくに地勢を調べないで行ったからびっくりしちゃった…なんであんな治安がいまいちな地区が山手線内なんだ…
少し高いけど、「大浴場付き」を選ぶのも良い。
小さくてそっけないユニットバスに湯を張るのは味気ないけど、しっかり疲れを落とすためにはシャワーじゃ物足りない、というときに、大浴場は便利。アパホテルには「玄要の湯」という名前で大浴場を備えているタイプのホテルがあり、都内にもいくつか立っている。連休などのシーズン外なら、夜中は結構空いているし、他の人を気にする必要もない。おすすめ。
〇食事
基本的にはサッとすませる。できるだけ安く済ませるようにする。また、普通の店に入ってしまうと提供に時間がかかったり、待たされたりするので避ける。また、味の予想がつかないことが不安なので、初見の店も避ける。また、店を探すのは原則的には美術館から美術館への移動経路上となる(移動を最短時間で済ませるため)。
こんな調子なので、食事というより補給に近い。
これらの条件を整理すると以下のようになる。
・値段が安い
・提供までの時間が早い
・どこにでもあるチェーン店で、できれば食べたことある店
ここから導かれるよく選ぶ店は、マクドナルド、吉野家をはじめとした牛丼チェーン、サイゼリヤ、ドトール。
牛丼チェーンでは松屋が一番好き(味噌汁がついてくるから)。
サイドを付けても500~600円台で済むのでとても重宝。
寿司チェーンでもいいんだけど、ふしぎと都内の繁華街で100円寿司とか見たことがない。
〇服装
せっかく都会の美術館に行くのだから、よそ行きのおしゃれな服を着て、かわいい靴をはき、小粋なかばんを持って出かけたい。だがそれは願望でしかない。
移動時間を除外すると、美術館が開館している時間はわずか半日しかなく、その時間内に何か所も回るわけなので、ヒールなんかはけない。当然スニーカーである。しかもニューバランスのやつに人工筋肉製の高いインソールを仕込んだ特別仕様だ。こいつで歩けば、たとえ一日中休憩なしで都内をめぐっても、足が痛くて歩けないなんてことにはならない。
服は、動き回っても窮屈にならない、ナチュラル&カジュアルな感じ(大体足元がスニーカーなんだからどうしたってそうなる)。東京は地下鉄から何からとにかく埃っぽいので、気を遣う白系の服は着ない。大体は、通勤で着ているダボっとした服や、無印のシャツ。要は汚れてもあまり気にならないやつ。
ズボンは苦手だけど、移動距離が長くて足さばきが欲しいときはもんぺパンツという強い味方がいる。
さらに、美術館に行くときのかばんで一番大事なことは、おしゃれさや色ではない。「A4サイズのフライヤーが収納できるかどうか」だ。収集品に折り目が付かないように、わたしは必ずクリアホルダーを携行するため、これがすっぽり収まるようなかばんじゃないとだめなのだ。
かつては中川政七のかばんブランド「bagworks」の角形リュックを愛用していたが、首を壊してからは重いものを背負えなくなってしまった。
それで目下メインかばんとして使っているのは、healthybackbagのかばん。
これは以前街で持っている人を見て一目ぼれした。
肩と腰の二点で支えるので、結構荷物を入れていても疲れにくい。
中はポケットがたくさんついているから、アイテムを分散して収納することで重くなりにくい。
電車の座席に座るときは、細い方を上にして、縦にして膝に乗せる。姿が琵琶型なので、流しの琵琶弾きにでもなったような気分も味わえる。
ヘルシーバックバッグ/ テクスチャードナイロン Mサイズ クリムゾンwww.healthybackbag.jp
このバッグの最大の難点はA4サイズが入らないことだ。
じゃあどうするんだ、ってことでサブバッグとして重宝しているのは無印良品の折り畳みできるA4トート(縦型)。いちおう撥水だし、本体が軽量なので荷物を圧迫しない。まだ荷物がないときはくるくる畳んで親かばん(=メインのかばん)の中に入れておいて、ぼちぼち収集物(フライヤー、買った絵葉書、グッズなど)が増えてきたら広げる、という感じで使える。マチが10センチ近くあるから、でかくてクソ重い図録を入れてもへっちゃら。展覧会巡りするときは雪だるま式に収集物が増えるからサブバッグは生命線だ。
ところで図録っていつになったらダウンロード版の並行販売してくれるんですかね? 記念メモリーカードとか作ってデータ販売にしてほしい。本だとどうしても保存が難しいし、開きにくいし、何より重いんだ。。読めねえ解説の英訳で半分くらい埋まった厚さ数センチのクソデカ本を東京から引きずって帰るこっちの身にもなってほしい。本棚に、今まで行った展覧会の図録がずらっと並んでいるのは壮観だけどね。
最大のメリットは外側についている二つの細長いポケット。ここにスマホを入れておくとすぐ取り出せて便利。あとはかばんの中でもてあましがちな折り畳み傘などもスッと入る。ペンケースとかも。
難点は雨に弱いこと。生地は撥水なのだが、口にチャックがないのでちょっとした雨に降られてしまうと収納品が濡れてしまう。紙類は濡れないように蓋つきのファイルに入れ、買ったグッズや図録類もできるだけビニール袋に入れて保護するしかない。
補足。展示室に入るときは身軽になりたい派なので、入室の際は財布やスマホ、メモ帳、予備のクリアホルダーなどを同じく無印のコットントート(取っ手が長いからA4よりA3が使いやすい)に入れ替えてGO。いちいち移し替えるのが面倒なら、コットントートをそのまま子かばんにスポッと入れておいても良い。
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以上、概略的に「宿泊」「食事」「衣服」などの面から遠征スタイルを紹介してみました。
まあ何年も遠征生活やってればこれくらいの知恵はつきますよっと。。
ひとりでやっているから、たまには「俺の趣味の道具自慢」的に、ひとに趣味のことをつらつら語り倒したい衝動があるんだよね。今回ずっと無意識にやってきたことをこうして文章におこしてみて、すごく気分がよかった。ぼちぼちやっていきたい。