subalspica;スバルスピカ

■美術館(展覧会)めぐり■読書■クラフトビール■日々のこと

地元でめんそーれ

沖縄料理を初めて食べた

地元では長いことやっている沖縄料理屋さんがあって、存在はそれこそ中学生ぐらいの時から知っていたのだけど、とくに興味がなくて食べたことがなかった。

それが突然このお店に行くことを考えたのである。

なぜか。

 

■これである

tsumugu.yomiuri.co.jp

 

この展示が気になっている。

遠征日程はまだ先だったのですぐには鑑賞できず、その歯がゆさから、

そや!地元で沖縄料理でも食べよう!

これも異文化理解や!!

と急に行く気になったのであった。

 

それにしてもおととしは出張にかこつけて北海道へ行き

ウポポイでの観光も楽しみ、アイヌ文化をかじったりもしていたのに、

まさしく急転直下というかんじ。

でもこういうふうに好奇心を東奔西走させられるのも、わたしが本州人だからだろうとも思う。

 

■料理

4月末の土曜日、夫と二人で訪れた。

店内はせまいけど、学生やファミリーも多くて、地元で愛されるおいしくてリーズナブルなお店って感じだ。

2人からのミニコースがあるのでそれをオーダーしたが、

お得な値段なのにかなり盛りがいい。

飲み放題のグレードをあげると、オリオンビールやシークァーサービール(多分ビールとシークァーサージュースを割っている。香りが良くてすごくおいしい)も飲み放題になる。すばらしい。

 

海ブドウのサラダ。

すごくいっぱい入ってる。

ミミガーゴーヤチャンプルー

ゴーヤが全然苦くなくて本当においしかった!

すっかりこのチャンプルーのファンになってしまい、以来時々立ち寄って

テイクアウトしている。

ソーキそば。

〆がこれだった。

ほんのりかつお節?のようなあっさりした香り。

もっと味が濃いかんじのものだと思ったから意外だった。

 

琉球料理いいじゃないか

今までなんで食べたことなかったんだというくらいはまってしまい、

最近ではビールもオリオンビールが多い。

沖縄に行ける算段はまったくついてないけど、

いつか行きたいなあ。

首里城、見てみたかった…。

廉価な飲み放題コースだったのでリキュール扱いのオリオンが来た。グレードを少し上げると本物のオリオンビールが飲み放題。あと、シークァーサービールというビアカクテル的な飲み物がめちゃくちゃうまかった。。



ここ半年で飲んだ酒たち(主にビール)

■タイトルのとおりです
とにかく酒ならビールが好きで、新しい銘柄を見るとすぐ試したくなっちゃう。
古いスマホを見てたら、去年秋くらいからの酒の写真がたまってた(いつかTwitterにでも投稿しようと思ってそのままになってたやつ)ので供養。
 

マルエフ白。
出始めた頃に早速買って飲んで以来の大ファン。
パックで買って常備してる。
数年前にちょっとダイエットして以来、週3くらいで飲んでた第三のビールをすっぱり辞めて、週に1、2本だけ本物のビールを飲む生活にシフトした。基本は土日だけで、それ以外で飲みたい気分になったときはオールフリーにしてる。ビール味の水だけど正直シュワシュワしてるビールみたいな感じのやつなら何でもよさそう。
そういえばこいつは最近も出たよね。味の濃い肉料理とかサラミをアテにすると最高なやつ。これもパックで買って常備しているよ。
 最近、このビアライゼという新橋のお店ではマルエフを提供しているとフォロワーさんに教えてもらった。夫もマルエフが好きだから、夫婦で東京行ったら飲みにいきたいな…。
 

COEDOビール(瑠璃)。
料理メインの写真になっているけど、みんな知っているよね。
 
個人的には瑠璃よりも、緑ラベルの毬花(まりはな)が一番好きな味。
ここ数年で缶になり、ようやくこのあたりの辺境の地でも楽しめるようになった。
毬花には思い出がある。
その昔夫とまだ遠距離恋愛をしていたころ、ふたりで大宮で待ち合わせをして川越にデートに行った。その時に訪れたCOEDOビールの蔵元で、「最近できたばかりのフレーバーなんですよ」と推してもらったのがこの毬花だったんだ。そのころはまだ蔵元でしか出していない味だった。
近所のイオンでも買えるようになってうれしい(それまではわたしが東京に行ったときにわざわざ東京駅のキオスクで買っておみやにしてた)。たまに二人で分けて飲むと、決まってこの川越での話になる。また行きたいなー。
 
毎年秋ごろになるとスーパーに並ぶ。普通のビールより香ばしくて、黒ビールほどこっくりしていない、とっても好みの味。最近だとスプリングバレーの豊潤496とかが近い味わいで、年中飲めてお気に入り(これもパックで常備してたりする)。
秋の限定販売なのか、気が付くとすぐ冬の味に取って代わられている気がする。
 
じつは琥珀ヱビスにも思い出があって、はじめて飲んだのが、夫(当時は恋人)と何度か行ったヱビスビール記念館だったんだよね。写真美術館の展示見に行った帰りに飲んだんだよなあ。なつかしい。
プレミアムヱビス青(プレミアムセゾン)。 
これは正直あんまり印象に残っていない味。
あんまり売り場でも見かけないような…。
(追記:いま調べたら公式サイトでもラインナップから消えてるので、限定ものだったのかな?)
 
ビールだとヱビスが断然好きなんだけど、いろいろ調べてたらヱビスバーなる存在を知ってしまった。
そういえば北海道に出張行ったときに入ったような気がする(体調あまり良くなくて酒が楽しめなかった記憶)
辺境の地(東北)にはないみたいだけど、遠征でよくいく上野にはあるみたい。
 今度ぜったい行こう(使命感)
 
 

美術館巡りのスタイルについて

■はじめまして、というかお久しぶり

100年ぶりにブログなんて書いてる。あをだまです。

どうせ自分のことなんか書いても誰も読まないだろう、という後ろ向きな気持ちがあって、展覧会レビューを書こうと立ち上げたこのブログも放置してました。このたび諸事情あってめちゃくちゃ時間を持て余してたので、久しぶりに思い出しました。

noteもいいなと思ったんだけどね。なんかあれって古き良き「ブログ」の持っている「自分だけの城」感が稀薄な気がする。昔のブログには必須だった、個性的なテンプレートだの、ヘッダー画像だのがなくて、「ひとんちにお邪魔している感」が薄いというか… それとも若い人たちはあれくらい垣根が低くて隣の庭との境界があいまいなくらいを好むのかもしれない。 

 

それはともかく自己紹介

おもな趣味は美術館巡り。いまの仕事に転職してから年収があがったのと、休みを取りやすくなったのと、首都圏への往来がしやすい地域に定住(地元ですけど)になったので、2015年くらいから、年30~40件くらいの展覧会に行っていました。あと地方の芸術祭に足を運んだり。旅行に行くとほぼ必ずその土地のミュージアムには行くから、どちらかというと「アート巡り」というほうが適切かもしれない。

コロナが流行りだしてからはガクッとペースが落ちちゃったけど、アートを特集するテレビを見たり本を読んだりは細々と続けてた。

 

■遠征は遊びじゃねえんだよ

展覧会を鑑賞するためにわざわざ地方から出てくることを、美術ファン界隈では「遠征」と呼ぶが、わたしは地方在住であり、「展覧会巡り」における基本的なプレイスタイルは「遠征」である。

以下、いくつかの視点から、わたしの「遠征スタイル」について紹介したい。

(誰得なんだとかは考えない。)

 

〇主な遠征先

東京23区内。新幹線で上京し、1日に3か所くらい回る(4か所もできなくはないけどかなりキツい)。ちょこちょこ上京するとお金がかかるので、ビジネスホテルに1泊し、全行程1泊2日(周辺県に足を延ばす場合には、2泊3日もあり)で5~7か所くらい回る、というのが多い。

数か月に1度しか上京できない都合上、どうしても大きな美術館の展覧会しか押さえることができないのが悔しい。ほんとうは世田谷美術館とか大倉集古館とか、いまいち利便が悪いけど味のある展示をやっている小さな館にももっと行きたい…

 

〇よく利用するビジネスホテル

アパホテル東横インのどちらか。

この2社がやっぱり群を抜いて安い。

遠征の主眼目は展覧会の鑑賞とグッズや図録の購入なので、できればメイン以外の出費は抑えたいため。特に、日時指定制が当たり前になってきたせいか、最近は入場料も大人一般料金が上昇傾向にあり、ひとり2000円台も珍しくない。

この2社のホテルは都内にまんべんなく立地しており、安い立地を選べば、どちらも素泊まり4000円~5000円台で利用できる(うまくいけば3000円台も有り得る)。また、毎度違う会社のホテルに泊まると、宿泊時の手続き方法などにも微妙に違いがあり戸惑うが、会社を限定することで回避することができる。そのうえ、毎回訪問する美術館は違うので、その日の最終目的地から近い場所で絞り込んで投宿先を決定する、といったフレキシブルな使い方が可能。

とはいえ、下調べをする時間が少ないので、わたしの場合はいくつか定宿を決めておいて、その中から選ぶことが多いかな。

ところで最近は鶯谷東横インに泊まったんだけど、ろくに地勢を調べないで行ったからびっくりしちゃった…なんであんな治安がいまいちな地区が山手線内なんだ…

 

少し高いけど、「大浴場付き」を選ぶのも良い。

小さくてそっけないユニットバスに湯を張るのは味気ないけど、しっかり疲れを落とすためにはシャワーじゃ物足りない、というときに、大浴場は便利。アパホテルには「玄要の湯」という名前で大浴場を備えているタイプのホテルがあり、都内にもいくつか立っている。連休などのシーズン外なら、夜中は結構空いているし、他の人を気にする必要もない。おすすめ。

 

〇食事

基本的にはサッとすませる。できるだけ安く済ませるようにする。また、普通の店に入ってしまうと提供に時間がかかったり、待たされたりするので避ける。また、味の予想がつかないことが不安なので、初見の店も避ける。また、店を探すのは原則的には美術館から美術館への移動経路上となる(移動を最短時間で済ませるため)。

こんな調子なので、食事というより補給に近い。

これらの条件を整理すると以下のようになる。

・値段が安い

・提供までの時間が早い

・どこにでもあるチェーン店で、できれば食べたことある店

ここから導かれるよく選ぶ店は、マクドナルド、吉野家をはじめとした牛丼チェーン、サイゼリヤドトール

牛丼チェーンでは松屋が一番好き(味噌汁がついてくるから)。

サイドを付けても500~600円台で済むのでとても重宝。

寿司チェーンでもいいんだけど、ふしぎと都内の繁華街で100円寿司とか見たことがない。

 

〇服装

せっかく都会の美術館に行くのだから、よそ行きのおしゃれな服を着て、かわいい靴をはき、小粋なかばんを持って出かけたい。だがそれは願望でしかない。

移動時間を除外すると、美術館が開館している時間はわずか半日しかなく、その時間内に何か所も回るわけなので、ヒールなんかはけない。当然スニーカーである。しかもニューバランスのやつに人工筋肉製の高いインソールを仕込んだ特別仕様だ。こいつで歩けば、たとえ一日中休憩なしで都内をめぐっても、足が痛くて歩けないなんてことにはならない。

服は、動き回っても窮屈にならない、ナチュラル&カジュアルな感じ(大体足元がスニーカーなんだからどうしたってそうなる)。東京は地下鉄から何からとにかく埃っぽいので、気を遣う白系の服は着ない。大体は、通勤で着ているダボっとした服や、無印のシャツ。要は汚れてもあまり気にならないやつ。

ズボンは苦手だけど、移動距離が長くて足さばきが欲しいときはもんぺパンツという強い味方がいる。

www.nakagawa-masashichi.jp

 

さらに、美術館に行くときのかばんで一番大事なことは、おしゃれさや色ではない。「A4サイズのフライヤーが収納できるかどうか」だ。収集品に折り目が付かないように、わたしは必ずクリアホルダーを携行するため、これがすっぽり収まるようなかばんじゃないとだめなのだ。

かつては中川政七のかばんブランド「bagworks」の角形リュックを愛用していたが、首を壊してからは重いものを背負えなくなってしまった。

www.nakagawa-masashichi.jp

それで目下メインかばんとして使っているのは、healthybackbagのかばん

これは以前街で持っている人を見て一目ぼれした。

肩と腰の二点で支えるので、結構荷物を入れていても疲れにくい。

中はポケットがたくさんついているから、アイテムを分散して収納することで重くなりにくい。

電車の座席に座るときは、細い方を上にして、縦にして膝に乗せる。姿が琵琶型なので、流しの琵琶弾きにでもなったような気分も味わえる。

ヘルシーバックバッグ/ テクスチャードナイロン Mサイズ クリムゾンwww.healthybackbag.jp

 

このバッグの最大の難点はA4サイズが入らないことだ。

じゃあどうするんだ、ってことでサブバッグとして重宝しているのは無印良品の折り畳みできるA4トート(縦型)。いちおう撥水だし、本体が軽量なので荷物を圧迫しない。まだ荷物がないときはくるくる畳んで親かばん(=メインのかばん)の中に入れておいて、ぼちぼち収集物(フライヤー、買った絵葉書、グッズなど)が増えてきたら広げる、という感じで使える。マチが10センチ近くあるから、でかくてクソ重い図録を入れてもへっちゃら。展覧会巡りするときは雪だるま式に収集物が増えるからサブバッグは生命線だ。

ところで図録っていつになったらダウンロード版の並行販売してくれるんですかね? 記念メモリーカードとか作ってデータ販売にしてほしい。本だとどうしても保存が難しいし、開きにくいし、何より重いんだ。。読めねえ解説の英訳で半分くらい埋まった厚さ数センチのクソデカ本を東京から引きずって帰るこっちの身にもなってほしい。本棚に、今まで行った展覧会の図録がずらっと並んでいるのは壮観だけどね。

www.muji.com

最大のメリットは外側についている二つの細長いポケット。ここにスマホを入れておくとすぐ取り出せて便利。あとはかばんの中でもてあましがちな折り畳み傘などもスッと入る。ペンケースとかも。

難点は雨に弱いこと。生地は撥水なのだが、口にチャックがないのでちょっとした雨に降られてしまうと収納品が濡れてしまう。紙類は濡れないように蓋つきのファイルに入れ、買ったグッズや図録類もできるだけビニール袋に入れて保護するしかない。

 

補足。展示室に入るときは身軽になりたい派なので、入室の際は財布やスマホ、メモ帳、予備のクリアホルダーなどを同じく無印のコットントート(取っ手が長いからA4よりA3が使いやすい)に入れ替えてGO。いちいち移し替えるのが面倒なら、コットントートをそのまま子かばんにスポッと入れておいても良い。

 

***

以上、概略的に「宿泊」「食事」「衣服」などの面から遠征スタイルを紹介してみました。

まあ何年も遠征生活やってればこれくらいの知恵はつきますよっと。。

ひとりでやっているから、たまには「俺の趣味の道具自慢」的に、ひとに趣味のことをつらつら語り倒したい衝動があるんだよね。今回ずっと無意識にやってきたことをこうして文章におこしてみて、すごく気分がよかった。ぼちぼちやっていきたい。

 

平沢進 Interactive Live Show 2022 ZCON感想

■じつに2年ぶりの生ヒラサワ

去る3/25(金)、有明にあるガーデンシアターにて開催された平沢進のライブ

「ZCON」に参加しました!


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会場そばの電光パネルにはその日ライブする人が映るらしくて、こんな不穏な表示。

(なお、日中は商業施設内のBGMも平沢の今般の新譜がエンドレスでかかっていたらしい。夕方の開演直前に会場に向かったので聞けなかった…)

コロナ禍のただなかでもあり、チケット譲渡のtweetも目立っていたが、会場に着いてみればなかなかどうして壮観。アリーナから4階上のバルコニー席まで満艦飾じゃないの。わたしもその一人だけど、ここにいる一人ひとりが現在の情勢やコロナの不安やいろんなことを勘案して、悩んだうえでここまで集ったんだと思うと、柄にもなく胸があつくなった。みんな平沢すきなんだな…。わたしもやで…。

 

わたしの席はアリーナの左翼中央付近だった。最前列で師匠をでっかく見たいという欲望はそんなにないので、いい席ではないけど、特別悪くもない。

できたら会場を広く見渡したかったが、アリーナは床に傾斜がないので前方に背の高い人が来たら死ねる。

ライブ自体のレポは他のファンが死ぬほど詳細に書いてくれているので、ここではセットリストを備忘録的に挙げるにとどめる。

1 COLD SONG

2 TRAVELATER

3 LANDING

4 消えるTOPIA

5 クオリア

6 燃える花の隊列

7 転倒する男

8 幽霊列車

9 論理的同人の認知的別世界

10 BEACON(INTRO)

11 TIMELINEの終わり

12 ASHURA CLOCK

13 BEACON

14 記憶のBEACON

 

■ライブ雑感

〇今回は結構師匠以外に脇侍のSSHOとTAZZの動きも見てたんだけど、TAZZの動きがいちいちセクシーでかっこよかった。弦楽器ひくときの手つきがいやらしすぎる。やっぱり楽器ひく男の人って姿がいいよね。顔一回も見たことないけど今更ながらファンになっちゃった。盛り上げ方もよかった。

〇ところで今回キャスト多かったね??

〇中村ルビイさんは初めて見た。パフォーマンスも衣装もかっこよかったな。

〇ピエロのテンションどうなってんだこれと思って聞いてたら途中からアレ…?この声…?ってなってクレジット見たら案の定御大だったとき。どういう顔すればいいか分からなかった。すごいノリノリで録ったんだな…今まで作ってきたイメージとかいいんか?これ…

〇レーザーハープ弾くときに師匠が新手の振りつけを披露していた。手をゆっくりくねくね動かしていたのがますます仏みを増してた

「大馬鹿者」はい

〇今回は3公演もあるからかアンコールなくて残念だった…

「もう大丈夫ですよ、安寧の人」はふつうにしびれたよね

 

■しかしてライブの結末は

今回はインタラだったので会場からのCALLで分岐を選ぶ箇所が数か所あったのだが、初日らしくことごとく失敗した

全部間違った選択肢を選んだので、曲を最後までやってくれないかもと思ったが、セットリスト自体は新譜をすべて網羅しており、バッドエンドでも演奏はしてくれる仕様っぽい。

最後めちゃくちゃ高い下駄をはかせてもらって最後の曲を演奏してくれて、会場一同心の中で冷や汗を流した。

グッドエンドは千秋楽組がきっちりクリアしてくれたので良かった。

 

■孤独に歩め悪をなさず、求めるところは少なく(または、試合のあとのおたのしみ)

昔はライブのあとのTwitterオフ会とかよく行ったものだけど、今はコロナ禍でもあり飲み会はためらわれる。というかそれ以前に馬骨界隈とのネットでの交流がもう全然ない。

数年来新譜は買ってそのままになっていたくらいの熱量だったせいもある。ネットから入った新参骨の皆さんの熱量とかキャーヒラサワーみたいなテンションにもう全然ついていけないのよ。以前は平沢カラオケオフも数人だけで成立したけど、いつの間にか数十人単位になってるし。一回参加したら全然歌えないからつまらなくなって行かなくなった(そもそもコロナ禍だからカラオケオフも随分開催されていないだろうな)。

さりとて20年30年選手のような含蓄を身に付けているわけでもないから古参顔もできない。

そもそも平沢は、わたしにとってはアイドルとかイケオジミュージシャンとかそういうのじゃない。本尊とか氏神とかそんなかんじの存在だった。ふとした時にそっと拝む神さまとか守護天使みたいな感じ(最近のTwitterでの頻回な不穏発言で、ちょっと人間的にどうなのと思わなくもないけど)。いつの間にか、平沢の音楽を聴いたりライブに参加したりするにあたり、自分と平沢以外の存在を必要としなくなっていた。ライブのあとで「あの曲良かったね~」とか「デストロイかっこよかったよね~」とか言い合う必要性をまるで感じなくなってしまった。

わたしがしびれたデストロイとあなたのしびれたそれは、同じ会場で同じ瞬間に聴いたけれどもその瞬間にそれぞれ個別具体的な体験に還元されたので、同じ体験ではないんですよ、みたいな…わかりますか?

だからわたしが心の中で「あの曲良かったですよ…」とか「デストロイしびれましたよ…」と平沢に向かって語り掛ければそれで十分なのだ。

こういうのを同担拒否というのかもしれない。

 

さてライブのあとのおたのしみ。

会場を出たすぐ横にわたしのだいすきなキリンシティがあったからもう入るしかなかった。

www.kirincity.co.jp


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三度の飯よりすきな生ハムで一献。


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ザワークラウトも大好物。

一緒に飲んだビアカクテルのパナシェがおいしかった!

 

最後に、当日の感想(直後にtweetしたもの)を貼っておきます。

しばらくライブから時間があいたけどいまも気持ちはこの時とあまり変わってない。

リラックスしてみるのが丁度いい絵たち★スイス プチ・パレ美術館展(郡山市立美術館)220227

■行ってきた

郡山市立美術館で開催中の「スイス プチ・パレ美術館展」に来た。

久しぶりの美術館。

12月の東京が最後だったので実に4か月ぶり。ミュージアム分に飢えていたので地元のでも何でも良くて気が付いたら来てた。

3月に大規模遠征をやるつもりだったので、そのリハビリも兼ねているつもり。

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後で調べたら全国めぐってる展示なんですってね

郡山市立美術館自体は初めてじゃない。県立と比べると断然良い。

手ごろで入りやすいカフェも備わっているし、車で郊外へドライブしたついでに入れるおしゃれお茶スポットって感じ。景色も良いし。

今回は駅から路線バスで来た。小旅行感が出ていいかんじ。

 

■展示

実はあんまりまじめに記録取っていなくて、よく内容を覚えてない。
いつもは「好きな作品BEST3」とかメモしているんだけど、ブランク長すぎて日和ってしまった。
みんな大好き印象派はあんまり来てなくて、どちらかというとポスト印象派ナビ派キュビスムあたりが多かったかな。キスリングとかも来てたけど苦手だからあんまり見てなかった。
最近ようやくポスト印象派の点描技法が良く思えてきたので、チラシにも載っているアンリ=エドモン・クロス「糸杉のノクチューン」とか良かった。神秘的な雰囲気で、ピュヴィス・ド・シャヴァンヌとかシダネルとかに画風が似ている気がする。
ああいう、「とくに特定の何かや場所を描いているわけではないのだが、静かで、穏やかで、理想的なイメージを描いてみました」っていう絵が大好きなのだよな。
あとはヴァロットン「身繕い」。ヴァロットンって白黒の版画のイメージだったからカラーの油絵あるのかと驚いた。でも白黒のほうが好みだな…
↑絵をいちいち貼るのめんどうくさかった…すまんな…
よく調べたら、3月にシダネルを見に行ったSOMPO美術館でも同じ展示を来夏やるようす。
雰囲気が合うな!

いつか、ちゃんと観に行きたい★第11回 恵比寿映像祭(TOP)|310224

東京都写真美術館で開催していた

「第11回 恵比寿映像祭」に行ってきました。

 

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今回は狙ったわけではなくたまたま映像祭の時期に東京に来ており、前日に開催を知ったばかりでした。期間が短いのでいつも行くのは諦めていたんですが、ラッキーでした。予定していた展示への移動の合間に、これ幸いとちょっぴり覗いてきました。

(したがって、殆どの作品はさらーっと眺めて通るだけになってしまいました。結構長尺の作品も多く、もっと腰を落ち着けて見れたらよかったなあと残念です)

今年のテーマは「transposition 変わる術」とのこと。


サラッとしか見ていないので、特に印象に残った作品についての所感を少し。

 

■地主麻衣子「テレパシーについて」(2019)

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無音の中、二つのスクリーンが並んでいます。

左の画面では、オレンジの服の女性の背中から誰かが気を送って?おり、女性はカメラを回しています。どうやらその映像が右側に映っているようです。送られた気?が、右の映像にどう影響しているのか、そういうことを見る作品のようです。

5分くらいは眺めていたと思いますが、特にはなにも起こりませんでした(起こったらすごい)。

うーん、映像の構図がシンプルできれいで、見ていて気持ちがいいなあ、というくらいで、ちょっと作者の意図がつかみきれなかった… 

ここでは、テーマの「transposition」は、気を送る誰か→女性→湖の映像、という順番で、起こっているとは考えられそうですが。。

 

岡田裕子「エンゲージド・ボディ」(2019)

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臓器の形のアクセサリーを身につけた真っ赤なマネキンたち。

この作品は、単純に岡田裕子作品だからという理由で取り上げてみました。なにしろ、以前現代美術館でやっていた「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」展で見た岡田作品がとにかくぶっ飛んでいて、度肝を抜かれたからです笑

今回もちょっとグロテスクで、血みどろな感じの展示でした。

岡田氏自身が演じているインタビュー形式の映像作品もありましたが、時間がなくてあえなく見送り。

 

■市原えつこ「デジタル・シャーマン・プロジェクト」

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死後、その人格を写し取ったAIと49日を過ごすというコンセプト。

これはあくまでアートであり実際に行われたわけではないのかもしれないけど、もしも故人の魂を写し取ったAIがあったとして、残された人はそれを49日後にきちんと手放すことができるのだろうか?それはその人を喪う体験をもう一度繰り返すことになるような気がする。

また、1年、3年、10年と、生きている自分は年を取っていくのに、更新されないAIは永遠に死んだ時点から成長しない。遺族と故人の間には、故人が死んだ瞬間から、乗り越えられない断絶ができ、それは絶え間なく拡がり続けていくのだと思う。その断絶を受け入れるためには、魂の寄り代ではなく、徹底的なその人の「不在」が必要なのだと思うけれど…。 でももし自分の大切な人がなくなったとして、このような機械に頼らずにいられるかといえば自信がない。考えさせられるコンセプトだった。

 

■ユニヴァーサル・エヴリシング「トライブス」(2018)

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群衆の動きをコンピュータ制御で動かした作品。雑踏の中、あちこちで人がぶつかり合っていたり、整列して行進して見せたり。動きがあって見ていて飽きない作品だった。

コンピュータが動かしているから当然なんだけど、この群衆を構成する人ひとりひとりには、人格が存在しないように見える。向かいから来る人にぶつかろうが謝りもしないし、密度の濃いところを突っ切っていっても平気そうにしている。何かの法則や規則に従って動かされているんだな、とつぶさに観察していると分かってくるのだけど、この作品を観察している自分自身もまた、社会や組織の規則や法則に従って感情もなく動いている時があると気が付き、はっとしたりした。

 

 

 

 

フィンランドデザインはつかみどころが分からない★アルヴァ・アアルト もうひとつの自然展(TSG)310224

東京ステーションギャラリー(TSG)で開催中の

アルヴァ・アアルト もうひとつの自然」展に行ってきました。

 

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展示室内は写真禁止だったのでこれのみ。

 

全体的にはスケッチや模型が多かった。

彼自身の家のためのデザインや、友人夫婦のために作った家などの写真も見ることができた。建築家の個人住宅好きなのでうれしい。アアルトの建築はとにかくアッサリしていて、つるんと美しく、アクが少ない。

そのくせどの写真を見ても、何かが潜んでいるような、物語が始まりそうな、「絵になる」構図があるのはなんでなのだろう。

 

インテリア用品のデザインも多く手がけており、それらは実物を見ることができた。

年代的には1900年初頭。

シンプルながら曲線を多用し、日常生活に溶け込みそうなやさしいデザインの明かりや椅子(アアルトといえば椅子)は、モダンで当世風。フロアはまるで家具屋さんのよう。

イッタラの食器や花器もあった。というか、イッタラで良く見るあのなみなみ模様のグラスは、アアルトの妻アイノ・アアルトのデザインだったのね。

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このなみなみは水面に浮かぶ波紋を表わしているのだそう。

お皿がなみなみしているのもあって、そちらはカルパッチョとかフルーツ盛り合わせとかを載せたらおいしそうな涼やかさだった。

 

建物だと、「パイミオのサナトリウムが一番惹かれたかな。

サナトリウムの一室を再現した小部屋もあった。

ターコイズブルーとホワイト、クリーム色が主体の内装は、病院らしい清潔さと落ち着きを持っていながら、穏やかな組み合わせでもあるので、弱っている患者たちの気持ちを和ませただろうなあと思う。

昔は結核といえばサナトリウムに入り、日光浴をしたりきれいな空気を吸ったりして養生することが治療だったらしい。

わたしは結核患者ではないが、こんなきれいで落ち着いた建物の中で日光浴をしたり本を読んだりして日頃の心の垢を落としたいなあ。…あ、それは日本では湯治っていうんだったっけか…。

他には、彼の手がけたフィンランドの公会堂や図書館などのけっこう大きめの模型を見ることができる。図面なども一緒に見られるけど、素養がなく読めないのが建築関係の展示ではいつもはがゆく感じる。。

 

 

まとめ

鑑賞時間に余裕がなく、わずか30分ほどの鑑賞でしたが、フィンランドの建築やデザインに対する見方が少し変わった。

今まではかわいくてシンプル、シュッとしておしゃれとか、ヨーロッパでありながら木を多用する、手触りの柔らかそうな建築が多い、とか、そんな茫漠としたイメージでしたが。

なんというのか、彼の建築もプロダクトデザインも、構成要素がとても少ない。

面と、それらをつなぐ曲線や直線。色数も派手ではない。

そのことが、使う人や住む人に対してすごく穏やかに作用するのではないか…彼のデザインした椅子を部屋に置いた時、彼の設計した建物に入った時、きっとすごく心がのびのびとして落ち着くんじゃないかという気がした。

作品に多用される曲線を有機的とキャプションでは説明していましたが、どちらかというと幾何学っぽいタイプの有機性だなと感じた。オウムガイの貝の巻き方や、トナカイの角の分岐、緩やかで規則的な寄せる波の形とか、静かに自然界の秩序を保っているような有機的規則性。

(曲線といえば、数年前に現代美術館で見たオスカー・ニーマイヤーの展示を思い出すけど、そちらはもっともっと生っぽくて、生き物の柔らかい肉が波打つようなしなやかさがあった。おなじ曲線でもずいぶん性格が違うなあ)

 

けばけばしい色の小物を並べたり、ごちゃごちゃした主張の激しいインテリアを部屋に置くと、気持ちが落ち着かなかったり、集中できなかったりする。その場所にいる間の意識の主導権を握られてる感じ。アアルトは、「人々の暮らしをより豊かにする」ことを信条としていたそうだけれど、快適な空間で、周りのものや建物にやさしく包まれながら暮らすことは、自分の意識が気持ちよく自分の中にぴったりと収まっている状態を作りあげてくれるのかなあ、などと考えたりした。